型枠数量算出 — 使い方ガイド
RC躯体モデルから型枠面積を自動算出し、Excel・Revit集計表・色分け3Dビューに出力する機能です。
v2.1.2 (2026-05-28) の主な修正
- 開口の多い壁で DirectShape の面積が負値になる不具合を修正
- マルチピース面の 2 個目以降の DS の面積が 0 になる不具合を修正
- RC躯体が一般モデル要素 (設備・什器・埋込物等) と接している面の型枠を自動で除外
- 有効面積 0.01m² 以下の微小面 (cm²級スライバー) を集計から除外
- サイト/エンベロープ等の建物スケール GenericModel を障害物判定から除外
v2.1.1 (2026-05-27) の主な修正
- 隣接要素と接している/埋もれている面に型枠オブジェクトが形成される不具合を修正 (床×梁段差、床×布基礎の重なり等)
- 一部の壁で型枠面積が負値 (例: -8.3m²) になる不具合を修正
- ソースビューのフィルタが分析ビューに正しく引き継がれるよう改善
- 更新モードで既存ビューのフィルタ設定を変更しないよう改善
- 複数ビュー選択時、新シートには選択ビュー分のみレイアウトするよう改善
- 型枠 DirectShape のカテゴリを「ナースコール装置」に変更 (一般モデルフィルタとの干渉回避)
🎯 この機能でできること
- 躯体の各面を「型枠が必要な面」と「不要な面(接触面・天端・地中部)」に自動分類
- 要素ごとの型枠面積を集計し、レベル・部位・タイプ別に集計表化
- 結果を Excel ファイル / Revit 集計表 / 色分け 3D ビュー / シート に同時出力
- 鉄骨部材・デッキスラブ・LGS壁などは自動判別して除外
- 複数のソースビューを同時に算出し、1つのシートに集約 + 全ビュー合算の Excel を出力
✅ 実行前の準備
1. モデルの確認
下記カテゴリに該当するものが算出対象になります。正しいカテゴリでモデリングされているかを確認してください。
| 部位 | Revit カテゴリ |
|---|---|
| 柱 | 構造柱 |
| 梁 | 構造フレーム |
| 壁 | 壁 |
| 床 | 床 |
| 基礎 | 構造基礎 |
| 階段 | 階段 |
| 屋根 | 屋根 |
2. レベル設定
各要素のベースレベル・上部レベルが正しく設定されていることを確認してください。集計表はレベル順にグループ化されます。
3. 要素同士の結合は不要
柱と梁、梁と床などが接している部分は Revit の「結合」機能で結合させていなくても自動で接触面を判別します。 モデリング時に結合し忘れがあっても、接触している箇所は型枠不要として正しく控除されます。
4. 自動除外される要素(モデル変更不要)
以下は型枠不要と判定され、集計から自動的に除外されます:
- 鉄骨部材(H形鋼・角形鋼管・CFT等)— 構造材料・断面形状・名前パターンの4層判定
- デッキスラブ — 床のタイプ名に「DS」を含むもの
- 鉄骨階段 — タイプ名・マテリアルに「鉄骨」「STEEL」「STK」等を含むもの
- 壁スイープ・リビール — 壁の見切り・幅木等
- LGS壁・乾式壁 — 壁構造に石膏ボード層(厚さ 9.5 / 12.5 / 15 / 21mm または材料名に「石膏」「Gypsum」等)があり、コンクリート層が無い壁
除外要素は解析3Dビュー上でオレンジ色のオブジェクトとして可視化されます(既定では非表示。フィルタ「型枠_除外」をONで確認可能)。
🖥 実行できるビュー
| ビュー種別 | 実行 | 備考 |
|---|---|---|
| 3D ビュー | ✅ 推奨 | 「現在のビューに表示されている要素」モードで使用する場合は3Dビューが必須 |
| 平面ビュー・断面ビュー | ⚠️ 可 | 「プロジェクト全体」モードでのみ実行可能 |
| シートビュー | ❌ 不可 | アクティブビューを3Dビューに切り替えてから実行してください |
ポイント: 計算対象を絞り込みたい場合は、対象範囲のみが表示された 3D ビューを開いた状態で「現在のビューに表示されている要素」を選択してください。セクションボックスで切り取った範囲のみを算出することも可能です。
📋 実行手順
Step 1. リボンからボタンを実行
Tools28 リボン → 構造パネル → 「型枠数量算出」 をクリック。
Step 2. 設定ダイアログで条件を指定
計算範囲
- 現在のビューに表示されている要素 — アクティブ3Dビューで可視の要素のみ
- 選択のビュー — プロジェクトブラウザで複数の3Dビューを選択した状態で実行すると、それぞれを個別に算出し、1つのシートに集約します
- プロジェクト全体 — モデル内の全要素を対象
集計区分(複数選択可)
- 部位別(柱・梁・壁・スラブ・基礎・階段・屋根) — 既定でON
- 工区別 — 「工区」パラメータで分類(パラメータ名を指定)
- 型枠種別 — 「型枠種別」パラメータで分類(パラメータ名を指定)
出力設定
- ☑ Excel ファイルに出力 — 全ソースビュー合算 + ビュー別内訳を含む .xlsx
- ☑ Revit 集計ビューを作成 — 階層グループ化された集計表(ソースビューごとに作成)
- ☑ 色分け 3D ビューを作成 — 解析専用の3Dビュー「3D_型枠数量 - {ソースビュー名}」
- ☑ 集計シートを自動作成 — 3Dビュー + 集計表が配置されたシート
色分け区分
3Dビューの色分けを「部位別」「工区別」「型枠種別」から選択。
オプション
- ☐ 控除面も表示する — 接触面・天端面をグレー半透明で表示
Step 3. 「実行」をクリック
処理時間: 要素数 100〜500 個で 30 秒〜2 分程度。
Step 4. 結果を確認
完了ダイアログに以下が表示されます。
- 対象要素数 / 合計型枠面積 / 控除面積 / 傾斜面面積
- 自動除外件数(鉄骨・デッキスラブ・LGS壁等)
- 出力されたシート名・Excel保存先
📊 出力される成果物
解析3Dビュー「3D_型枠数量 - {ソースビュー名}」
- 型枠が必要な面が 色付きの薄板オブジェクトとして配置される
- 部位別の配色: 柱=青/梁=緑/壁=橙/スラブ=黄/基礎=紫/階段=水/屋根=ピンク赤
- 視点・切断ボックス(セクションボックス)はソースビューを継承
- ソースに切断ボックスが無い場合は、解析対象要素の範囲から自動計算して設定
- ソースビューのフィルタはそのまま分析ビューに引き継がれます (v2.1.1 以降)。 名前・内容・表示設定すべてソースと同一。新規フィルタを作らないのでプロジェクト 上にゴミフィルタが増えません
- ソースビューとの関連はビューに付与される共有パラメータで管理されるため、ビュー名を後から変更しても更新モードの対象として正しく認識されます
- 型枠 DirectShape のカテゴリは 「ナースコール装置」 (v2.1.1 以降)。一般モデル カテゴリのユーザーフィルタとの可視性干渉を根本回避するため
集計表「型枠数量集計 - {ソースビュー名}」
- ソースビューごとに 1 つ作成される
- レベル → 部位 → タイプ名 の階層でグループ化
- 列: 件数 / レベル / 部位 / 区分 / 型枠面積
- 列幅は内容に応じて自動調整
サマリ集計表「型枠数量集計_合計」
- 全ソースビューの DirectShape を合計した 1 行集計表
- 列ヘッダーを赤字・太字・薄黄背景でスタイリング
- DirectShape の追加・削除に動的追従(要素を削除すると合計が自動再計算)
シート(オプション)
- 解析3Dビュー(複数ビュー選択時は全て)と各集計表・サマリ集計表が自動レイアウトされたA1シート
- リンクモデルが含まれる場合、リンクごとの集計表もホスト集計表の右側に横並びで自動配置されます(シート幅を超えた分は下段に折り返し)
Excel ファイル(オプション)
集計表(合計)と数値が一致するよう、全ソースビューを合算して出力します。
| シート | 内容 |
|---|---|
| 総括表 | 全ビュー合算の型枠面積・控除面積・要素数。複数ビュー選択時は「ソースビュー別 内訳」表 + 合計行を追加 |
| 部位別 | 全ビューを集計した部位別合計 + 合計行 |
| 工区別 / 型枠種別 | (集計区分で選択時のみ)全ビュー集計 + 合計行 |
| 要素明細 | 全ビューの要素を一覧。複数ビュー時は「ソースビュー」列を追加 |
| エラー・注記 | エラー発生時のみ作成 |
ヘッダー色付け・オートフィルタ自動設定済み。
🔄 更新モード(再実行時の挙動)
既に出力済みのソースビューに対して再度ボタンを実行すると、確認ダイアログが表示されます。
| 選択肢 | 挙動 |
|---|---|
| 更新 | 既存の解析3Dビュー・ビュー別集計表をそのまま再利用し、DirectShape と数量のみを最新化。シート上のビューポート配置・合計集計表・既存ビューのフィルタ設定 (色等を含む)・他ソースビューの出力は一切手を付けません。 モデル更新後に集計だけ最新化したい場合に使用します (v2.1.1 以降は色フィルタの再適用もスキップ) |
| 再作成 | 従来通り、対象ソースビューの解析3Dビュー・集計表・シートを全て削除して作り直します |
| キャンセル | 何もせず終了します |
更新モードが使えるパターン
- 出力済みのソースビュー(元の3Dビュー)をアクティブにして再実行
- 出力済みの**解析3Dビュー(「3D_型枠数量 - XXX」等)**をアクティブにして再実行 — 共有パラメータから元のソースビューを自動解決します
- プロジェクトブラウザで上記いずれかのビューを選択して「選択のビュー」モードで再実行
ビュー名を変更しても認識されます
解析3Dビュー・集計表・シートには共有パラメータ(28Tools_Formwork_出力種別 / 28Tools_Formwork_関連ソースビュー)でタグ付けされており、ビュー名を後から手動で変更しても更新モードの対象として正しく検出されます。
旧バージョンとの互換性
過去バージョンで作成された解析ビュー(「型枠分析 - XXX」「型枠数量算出 - XXX」)も新名称(「3D_型枠数量 - XXX」)と同様に更新モードで認識されます。
🔍 計算ロジック(参考)
型枠が必要と判定される面
- 鉛直面・斜面(平面のみ)
- 梁・柱・階段の底面
- 開口部の内側面(縁面の加算)
- スラブや壁の開口・ボイドの内側側面(コンクリート打設時に型枠で区切る必要があるため)
型枠不要として控除される面
- 床・壁・基礎・屋根の天端 — コンクリート打設時に開放される面
- 屋根は勾配付き上向き面(傾斜>約 5°)も自動的に天端扱い
- 壁の斜めの天端は 水平射影の幅が 30mm 以上 なら天端扱い(小さな面取りは型枠必要)
- 他要素との接触面 — 接触部分のみ控除(完全接触・部分接触の両方に対応)
- 壁がスラブの開口を貫通する等のケースも自動的に接触面として控除されます
- 隣接要素のソリッド内部に「埋もれた」面(接合されずに体積が重なっている等)も 自動的に接触面として控除されます (v2.1.1 以降)
- 一般モデル要素 (設備・什器・埋込物等) と接している面も自動的に控除されます (v2.1.2 以降)。ただし建物スケールのサイト/エンベロープ要素 (体積 > 50m³ または BB 対角線 > 30m) は障害物判定から除外されるため、誤降格は起きません
- GL 高さ以下の地中部分(オプションON時)
- 開口部の控除(窓・ドア・床開口等の面積を自動控除)
- 有効面積 0.01m² 以下の微小面 — cm²級のスライバーに型枠を組むのは施工計画上 現実的でないため、集計から自動的に除外されます (v2.1.2 以降)
円形・曲面の取扱い(実務上の施工性を反映)
| ケース | 取扱い |
|---|---|
| 円形開口(中・大型) — 例: 階段室・PS・EVシャフトの円形抜き穴 | 型枠不要(曲面型枠の施工が現実的でないため除外) |
| 小さな円形ボイド(直径 ≤300mm) — 例: 配管スリーブ・小型開口 | 型枠で穴を塞いだ扱い(現場で型枠をそのまま貼る前提)。穴分の面積も型枠カウントに加算され、解析3Dビューでも DS の表面に穴は表示されません |
| 円柱(ラウンド柱) | 型枠あり(円形型枠で施工可能なため算出対象) |
適用範囲: 床 / 壁 / 梁 / 基礎 / 屋根 / その他(柱は対象外)
円形開口の判定ロジック:
CylindricalFace / ConicalFace / RevolvedFace 等の非平面
├─ BBox 最大寸法 ≤ 300mm → 穴を塞いで型枠あり扱い
└─ それ以外(中・大型曲面) → 型枠なし扱い
⚠️ よくある質問
Q. 鉄骨柱が型枠必要として残ってしまう
A. ファミリの構造材料が「鋼」または「金属」になっているか確認してください。それでも検出されない場合、ファミリ名・タイプ名に「H-」「BH-」「鉄骨」等のキーワードを含めると4層目の名前判定で除外されます。
Q. RC壁が誤って LGS壁として除外される
A. 壁構造の各層のマテリアルに「Concrete」または「コンクリート」が含まれているか確認してください。コンクリート層が認識されれば、石膏ボード仕上げが付いていても RC壁として算出対象になります。
Q. 集計表の列幅が大きすぎる/値が改行される
A. 列幅は列ヘッダーと各データ行の文字数を計測し、長い方に合わせて自動計算されます(日本語2倍幅換算)。極端に長いタイプ名で広がりすぎる場合は集計表プロパティで手動調整してください。
Q. モデル更新後に集計だけ最新化したい(シートのレイアウトは保持したい)
A. 「🔄 更新モード」セクションを参照してください。既存の出力が見つかると確認ダイアログが表示され、更新を選ぶとシート上のビューポート配置や合計集計表はそのままで、DirectShape と集計表のみを最新化します。
Q. Excel と集計表(合計)の数値がズレている
A. 現バージョンでは全ソースビューを合算した値で Excel・集計表ともに統一されています。古いバージョンで作成した Excel と比較しないでください。
Q. 直径 300mm より大きい円形開口にも型枠を出したい / 300mm 以下でも穴をあけたい
A. 現バージョンでは閾値は 300mm 固定です。要望があれば設定で変更可能にできます。
Q. 円柱の周りに型枠が出ない
A. 柱(Column)カテゴリは曲面除外の対象外で、円柱の側面にも型枠 DS が作成されるはずです。出ない場合は構造材料が「コンクリート」になっているか確認してください。
Q. 解析3Dビューに型枠が一切表示されない
A. 以下を確認してください:
- ソースビューにビューフィルタが設定されており、「Generic Models を含まないものを表示」のような条件で型枠 DS が非表示になっていないか(v2.2 以降は派生フィルタで自動回避しますが、特殊なフィルタでは捕捉できない場合があります)
- ソースビューの V/G オーバーライドで
Generic Modelsカテゴリの透過率が 100% になっていないか(v2.2 以降は自動リセット) - 切断ボックスの範囲が型枠範囲を含んでいるか
- ワークセット「28Tools_型枠」がそのビューで「表示」になっているか
🛠 トラブルシューティング
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| 「対象要素が見つかりませんでした」 | 計算範囲を「プロジェクト全体」に切り替える、または3Dビューに対象要素を表示させる |
| 鉄骨が除外されない/RCが除外される | デバッグログ C:\temp\Formwork_debug.txt で [SteelDetect] [LgsExclude] 行を確認し、誤判定の根拠を特定 |
| 処理が遅い | 計算範囲を「現在のビュー」に絞る/セクションボックスで対象範囲を限定する |
| エラーで止まる | 完了ダイアログの「エラー・注記」件数を確認し、デバッグログでエラー要素IDを特定 |
| 一部のビューだけ型枠が表示されない | デバッグログの [Visual:ViewState] セクションを確認。SectionBox/Filters/OST_GenericModel の状態が出力されます |
| スラブの開口側面に型枠が無い(≥300mm の円形以外) | v2.2 以降は開口の内側面にも型枠 DS が作成されます。古いバージョンの出力が残っている場合は「再作成」モードで作り直してください |
デバッグログの主要セクション
C:\temp\Formwork_debug.txt には診断用ログが出力されます(前回ログはタイムスタンプ付きでバックアップ)。
| タグ | 内容 |
|---|---|
[Engine] Run() 開始 |
エンジン処理開始(ソースビューごとに1回) |
[ElemDiag] |
要素ごとの分類結果サマリ(faces 構成・dedTop/dedBot/dedCon 等) |
[SteelDetect] [LgsExclude] [DeckSlab] |
自動除外の判定根拠 |
[CurvedFaceExclude] |
曲面が型枠不要として除外された件数・面積 |
[SmallHoleFill] |
直径 ≤300mm の小穴が塞がれた件数・面積 |
[Pair] |
接触検出(要素ペアごとの ContactFace) |
[Visual] formwork DirectShapes created |
DS 作成完了(要素数・スキップ数) |
[Visual:ViewState] |
解析ビュー最終状態(SectionBox/CropBox/Filter 等) |
[Filter] [Hide][WS] |
フィルタ・ワークセット可視性の処理 |
📎 関連リンク
- マニュアル一覧: https://28tools.com/addins.html
- リリース・最新版: https://28yu.github.io/28tools-download/